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(閲覧注意)肌の​写真を​リファレンスに​入れると​AI顔は​リアルに​なるか

AIで作った人物は、肌がつるっとしていて、ひと目で「AIっぽい」とわかることが多い(最近は少ないが)。実写の写真をリファレンスとして添付するとどこまでリアルになるのか。他人の写真は使いにくいので、自分の顔と肌の写真で試した..

結論から書くと、いちばん効果があったのは顔の写真というわけではなく、肌のアップ写真だった。というかあまり分からない。

AIの顔に頬の写真を添付すると顔の造形ははそのままで、頬の写真と同じ毛穴が顔に出た..自分の顔写真を添付すると顔ごと本人になってしまう。AIが作った顔を入れても、肌はリアルにならない印象。表情チャートは、自分で撮ったものより、AIが作ったもののほうが指定どおりの表情を引き出せた気がする。美肌な人だともっと印象が変わると思う。

検証の方法

モデルは前回と同じ、Nano Banana Pro と ChatGPT Images 2.5 の2つ。比率は 9:16、1つの条件につき各モデル3枚ずつ生成。プロンプトはすべての条件で同じにして、変えるのは添付する画像だけ。

条件添付する画像目的
A1なしプロンプトだけ
A2AIの顔(A1の1枚目)AIの顔を入れると、肌は変わるか
A3自分の顔実写の顔を入れると、肌は変わるか
A4aAIの顔+頬の肌のアップ顔立ちを変えずに、肌の質感だけを借りられるか
A4bAIの顔+腕の肌のアップ顔ではない場所の肌でも借りられるか
B表情チャートチャートで表情を指定できるか

A2 は、A3 と比べるための条件でA3で肌がリアルになったとき、それが「画像を添付したから」なのか「入れた画像が実写だったから」なのかを分類するため。

変な顔
変な顔

自分の顔は屋外適当に撮った写真で変な顔をしてる..肌は、頬と腕を背面カメラで毛穴が見えるところまで寄って撮った。腕は気軽に素材として使えそうだと判断して追加検証。

A3 のプロンプト(A1・A2 も同じ文)
画像1の人物の写真を新しく生成してください。顔立ち、髪型、服は画像1のまま維持する。
窓辺のやわらかい自然光で撮ったバストアップのポートレート写真。85mmのレンズ(35mm判換算)、f/2.8、ピントは目。顔は画面の高さの約45%。正面を向き、真顔でカメラを見る。背景は白い壁で、少しボケる。9:16アスペクト比

A1 は1行目の代わりに、自撮りから書いた人物の説明(髪型・メガネ・ひげ・服)を入れた。

A4a のプロンプト(A4b は「頬」を「腕」にして、腕の毛を使わない指示を足した)
画像1の人物の写真を新しく生成してください。顔立ち、髪型、服は画像1のまま維持する。
画像2(肌の質感の参照):頬の肌のアップ。肌の質感だけを使う。毛穴、細かい凹凸、色むら、うぶ毛など。画像1の人物の顔の肌を、この質感にする。
窓辺のやわらかい自然光で撮ったバストアップのポートレート写真。85mmのレンズ(35mm判換算)、f/2.8、ピントは目。顔は画面の高さの約45%。正面を向き、真顔でカメラを見る。背景は白い壁で、少しボケる。9:16アスペクト比

計測には、この検証のために作った Face Chart を使った。Google の MediaPipeで顔の478点と表情の数値を取り、顔の向きや大きさ、頬の切り抜き、表情の判定をする。表情チャートの撮影もこのツールで行った。

A1(プロンプトのみ)の時点で、2つのモデルの差結構はっきりしている。Nano Banana Pro は頬に無精ひげと毛穴を描き、そのままでも写真っぽい。ただ顔立ちは毎回変わった。ChatGPT は3枚ともほぼ同じ人物を出したが、肌はAI特有の白くなめらかでツルッとしている。

A2 では、A1 の Nano Banana Pro の1枚目をリファレンスにした。2つのモデルとも、その顔をしっかり再現した。ChatGPT は A1 では別の顔を出力していたのに、A2 では Nano Banana Pro の顔になり、向きまで同じく少し横を向いた。プロンプトの「正面」より、リファレンスの向きが優先されている印象。肌感は変わらないか、むしろ気持ちなめらかになった?という気がする。

A3 では、6枚とも自分の顔・髪型・服になった。リファレンスの画像は屋外の自撮りだったが、背景はプロンプトどおり窓辺の白い壁に描き変わっている。

肌は、自撮りの荒れた赤みのある色を引き継いだ。ChatGPT も A1 のなめらかな肌から一転して、毛穴が見えるようになった。ただ、これは「肌の質感が移った」のか「顔ごと実写に寄った」のかを分けられない。A3 は顔立ちも変わってしまう。

A4a は、AIの顔に頬の肌の写真を添付した条件だ。顔立ち・髪型・服は6枚とも AIの顔のままで、自分の顔には寄らなかった。そのうえで、額や頬に茶色い点状の毛穴が出た。頬の写真の毛穴とよく似た並び方で、Nano Banana Pro の2枚目はそばかすに見えるほど強く出過ぎている。ChatGPT も同じ傾向だった。

A4b の腕の写真では出方が違った。点状の毛穴は出ず、細かく均一なざらつきが出た。腕の写真には毛穴の点が少なく、肌目が細かいので、その特徴どおりだと言える。腕の毛がひげのように顔へ移ることもなかった。

つまり、入れた肌の写真の特徴が、そのまま顔の質感になると言える。頬の写真はクセが強く(美肌でいるべきだった..)、腕の写真は控えめで自然だった。腕のほうが、いろいろな人物に使い回しやすいと思う。

肌の細かさはFace Chart で計測。

条件Nano Banana ProChatGPT
A1 プロンプトのみ3.052.23
A2 AIの顔2.392.22
A3 自分の顔3.272.01

AIの顔で Nano Banana Pro の値が下がったところは見た目と合うが、A3 の ChatGPT は見た目では毛穴が増えたのに値は下がった。A3 は顔が画面の26〜30%と小さく写り、頬の切り抜きを拡大して測ることになったのが一因だ(ほかの条件は30〜35%)。この数値は参考にとどめ、比較は切り抜き画像を目で見て判断した。

顔の形の近さも、目・鼻・輪郭の点の位置から測ろうとした。しかし A1 の ChatGPT のような明らかな別人でも、自撮りとの差は A3 と変わらなかった。この方法は顔の向きの違いを拾っているだけで、本人かどうかの判定には使えなかった。

表情チャートは、AIが作ったもののほうが伝わった

27の塩澄
27の塩澄

表情は9つ(真顔、口を閉じた微笑み、歯を見せて笑う、大笑い、驚き、怒り、悲しみ、困った笑い、ウインク)。自分のチャートは Face Chart で撮影。表情ごとに目標の数値(口角がどれだけ上がるか、眉がどれだけ上がるかなど)を指定し、それに表情を合わせて撮影。AIのチャートは、晴れた日に撮った自撮りを各モデルに渡して作らせ、3枚ずつ作ったうち指定どおりの表情がいちばん多いものを選んだ。

表情を指定するプロンプト(3番の例)
画像1は同じ人物の表情チャート(3×3、左上から右へ1〜9番)です。この人物の新しい写真を生成してください。顔立ち、髪型、服は画像1のまま維持する。
表情は画像1の3番(歯を見せて笑う)と同じにする。
午後のカフェの窓際の席に座り、やや斜めからカメラのほうを見る。50mmのレンズ(35mm判換算)、f/2、ピントは目。胸から上が写る。9:16アスペクト比。グリッドや複数の顔ではなく、1枚の写真にする。

チャートを1枚添付し、番号で表情を指定して、カフェで撮った写真を生成。表情は差が出やすいであろう3つ(歯を見せて笑う、驚き、困った笑い)を選び、1回につき4枚ずつ生成した。指定どおりの表情になったかは、Face Chart で自分の9つの表情写真と比べ、いちばん近いものが指定と一致した数で判断。

モデル + チャート歯を見せて笑う驚き困った笑い計
Nano Banana Pro + 自分で作ったチャート3/44/42/49/12
Nano Banana Pro + ChatGPT のチャート3/44/40/47/12
Nano Banana Pro + 自分で撮ったチャート2/43/40/45/12
ChatGPT + 自分で作ったチャート4/43/41/48/12
ChatGPT + 自分で撮ったチャート2/44/40/46/12

どちらのモデルも、自分で撮ったチャートより、そのモデル自身が作ったチャートのほうがよく当たった。AIのチャートは表情が大げさで、9つの違いがはっきりしている。自分で撮ったほうは、自分みたい。

2つのモデルの個性

  • Nano Banana Pro:リファレンスなしでも肌に毛穴やひげを描き、写真らしい。そのかわり顔立ちや向きが毎回ぶれる。表情チャートからは表情をよく作り分けた。
  • ChatGPT:指示に忠実で、毎回ほぼ同じ人物を出す。肌はなめらかになりがちで、肌のリファレンスを入れて初めて毛穴が出た。AIぽい

まとめ

AI顔のつるっとした肌を変えたいなら、顔の写真より肌のアップを1枚添付ぐらいがいい気がする。美肌なら顔写真でもOKかもしれないが..でもこれをすれば脱AI顔!という魔法は見つからないというのが現状な気がしている。でも表情に関してはまだ実験できそう!